上飯野沙耶子(33歳独身美濃L)は、その日も大阪駅構内の喫茶店でお見合いデートをしていた。

婚活サイト婚人会で知り合った見合い相手の美濃田という男性は43歳の技術系会社員で年収300万円ちょっと。
最終学歴が高卒なので、おそらく高校卒業後は大阪府内の中小工場で働いていたものと推定される。
彼は過去に2つの結婚相談所を渡り歩き、婚人会で3社目ということだった。
年齢のわりに年収が少なく、しかも沙耶子(年収450万ぐらい)よりも低年収であるのは少々気にならないでもなく、実は沙耶子自身あまり気の進まない見合いではあった。
しかし美濃田は沙耶子の入会当初から彼女のプロフを「お気に入り」に入れ、さらに半月ほど前からマメに申込メールを送ってきていた。
そこで沙耶子も彼のアドレスを消去するほどのものでもないと考えてそのままずるずると文通を重ねることになってしまった。

待ち合わせ場所に指定したJR大阪駅構内の某オブジェ前に現れたのは、昔の大関・大内山に良く似た大男だった。
190?近い長身の上に顔もいかついので、威圧感は並大抵ではなかった。

(悪いけど、無理だな・・・)
沙耶子は彼と結婚生活を送る自分自身がイメージできなかった。
俗に言う「生理的に受け付けない」という奴だった。
しかし折角のお見合いであるし、2時間ほど無難に過ごして帰宅後にお断り通知を出そうと考えていた。

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